
お客様が真に求めているものは何かを見抜くには?
まずは最初に、お客様をさり気なく「みる」ことが大切です。
百貨店もホテルも、接客は「みる」ことから始まります。ホテルのロビーに入った瞬間、お客様の視線はどこを向いているのか?急ぎ足なのかゆっくり歩いているのか?必ずみることでお客様のご要望を想像します。
「みる」には2つあります。自然に目の中へ視覚情報として入ってくる受動的な「見る」と、意識して何かをみようとする能動的な「観る」です。
そしてホスピタリティを行うためには、意識して「観る」ことです。
なぜなら人間は観ているつもりでも実際はあまり観ていないからです。
自分の腕時計の文字盤を見ずに、記憶だけでなるべく細かく紙に書いてみてください。思った以上に書けないと思います。研修で行うと、ほとんどの方が書けません。先日は、シチズンの時計なのにセイコーと書いている人がいらっしゃいました。これは普段時計を観ているのではなく、時間しかみていないからです。意識しないと文字盤を観ることはしないのです。
観る時のポイントは表情です。
お客様がどんな表情をしているのか?
心理学者Pエクマンは、パプアニューギニアの部族民を調査しました。そして表情は文化や環境に依存しない人類の普遍的な特徴と明らかにしました。
現在では「楽しみ・喜び・羞恥・興奮・嫌悪・満足・怒り・安堵・悲しみ・恐怖・驚き」などの表情が、ほぼ万国共通だと分かっています。ですから海外からのお客様にも有効なテクニックです。
お客様の真意は表情以外でも非言語に現れることがほとんどです。
例えば百貨店で商品を見ているお客様。購買意欲がある程度お持ちのお客様は、足のつま先が商品に向いています。しかし、購買意欲のあまりないお客様はつま先が通路側に逃げていることが多いのです。販売員に声を掛けられたら、すぐ立ち去ることができるよう無意識のうちに体が反応しているのです。
人類学者のレイ・バードウィステルによると、「言葉によって伝えられるメッセージは、全体の35%にすぎず、残りの65%は、話しぶり、動作、ジェスチャー、相手との間の取り方など、言葉以外の手段によって伝えられる」と述べています。
このようにホスピタリティを実践する第一歩は、お客様を観ることからなのです。観ることでお客様が何を考えているか想像することから始まります。
ただしジロジロ見ることは絶対に止めましょう。あくまでさり気なく観察することが大切です。


