
仕事の関係で、色々な自治体の役所・役場にお邪魔しています。
当然お邪魔する時には、職員の方に「おはようございます」「こんにちは」とご挨拶をしています。
しかし、返ってくる反応は自治体によって以下の3パターンに分かれます。
① 笑顔で「こんにちは」と返答してくれる(もしくはこちらより先に挨拶してくれる)
② 無表情で機械的に「こんにちは」と声だけ返してくれる
③ 一瞬視線だけこちらに向けて、無言で何事も無かったように視線を戻す
今迄の経験では、②の比率が圧倒的に多く、その次が論外の③、①の自治体は極少数派なのが現状です。
顧客の情緒に訴えることが、ホスピタリティであるのですが、②や③のような対応で情緒に訴えることができるでしょうか?ホスピタリティ以前の問題です。
私が22年勤めた百貨店から、ホテルの支配人に転職した時のことです。
配属先のホテルは、お客様アンケートの接遇評価が、チェーン最下位と著しく悪かったのです。その為、社長からお小言を貰うことも度々でした。
ホテル勤務の経験が無い私は、専門的な指導も全くできず、途方に暮れていました。
しかし、ある日ロビーからじっとフロントを観ていて気づいたのです。
チェックインの時、フロントスタッフはマニュアル通りに丁寧な言葉で、お客様に情報をお伝えしているのですが、表情に笑顔が全く無いのです。真顔なのです。
気を付けて他の現場を観てみると、レストランも宴会場もスタッフの笑顔が無かったのです。
私はやっと原因に気づきました。
笑顔の必要性を感じた私は、トレーニングの場として朝礼を活用することにしました。
自分の笑顔を自分で確認できるよう、手鏡を人数分(百均で)購入しました。
そして翌日から毎朝必ず、笑顔で口角を上げるトレーニングを行ったのです。
と言っても、トレーニング時間はたった30秒間です。その代わり、何があろうが例外を認めず、毎日必ず30秒間一生懸命トレーニングを行ったのです。実際にやったことがある方はお分かりでしょうが、口角を30秒上げ続けるのは、かなりキツイのです。最初は顔の筋肉が痛くなります。
最初は皆、恥ずかしがってやらなかったり、表情筋が固く作り笑いの表情だったりの状態でしたが、毎日トレーニングを進めていくうちに、いつしか全員口角だけで無く目元まで意識した笑顔となり、優しい表情へと変化していきました。
そして、3ヶ月後。
アンケート調査のランキングは、なんと各部門チェーン1位にまで上昇したのです!
そして、お客様からスタッフへのお褒めの言葉も増え、それがスタッフのモチベーションを更に上げていきました。効果は想像以上に絶大でした。その上、掛かったコストは手鏡代だけで、それ以外はタダです。
この体験を通じて私は、如何にお客様が「笑顔」を重要視しているかを(見ているかを)、改めて認識したのです。
最近、末期の認知症の患者さんでも、「笑顔」だけは認識できるという研究結果がでているそうです。人間は死ぬまで「笑顔」を欲している生き物なのです。
もう一点特記したいのは「朝礼の大切さ」です。
「朝礼の大切さ」に関しては、また機会があれば述べたいと思います。
これから「ホスピタリティ」や「おもてなし」を如何に向上させるべきか、机上で政策を考えるより先に、まずホスピタリティの前段階である「全職員、笑顔で挨拶できること」を目標に、行動することをオススメします。


