
質問です。
あなたは「整理整頓」という言葉を知っていますか?
ほとんどの方が知っていると答えるのではないのでしょうか?
再度質問です。
では「整理整頓」の正しい定義を言えますか?
では答えをどうぞ!
となると黙ってしまう方が多いのでは?
実際、マネジメント職レベルの研修で毎回質問するのですが、
この質問に答えられた受講者は,
残念ながらほとんどいません。
このように言葉を「知っている」と「理解している」は違うのです。
さらにリーダーになると最も重要な「実行できる」が加わります。
理解した概念を実際の行動に落とし込み、成果を生むことができるかどうか。
ここにリーダーの本当の力が問われます。
さて整理整頓の定義、先に答えを言いますと
「整理」と「整頓」は似ているようで、実は明確に異なる行動を指しています。
1. 整理
「必要なものと不要なものを分け、不要なものを捨てること」
- ポイント:物の取捨選択をすること。
- 例:机の上の書類を見直し、不要なものを廃棄する。
2. 整頓
「必要なものを使いやすいように配置すること」
- ポイント:使う人にとって取り出しやすい状態にする。
- 例:頻繁に使う文具は手元の引き出しに入れ、使わないものは保管場所へ移す。
これらを一緒にすると、「整理整頓」は「不要なものを捨てたうえで、必要なものを使いやすい状態に整える」ことになります。
しかし、皆さんは普段から
「この書類棚、整理整頓してください!」って指示命令しますよね?
・ケーススタディ「整理整頓」の定義を知らない場合
指示された部下も「はぁ、整理整頓ですね」(とにかく片付ければいいのかな?)と思いながら行動します。
見た目が少しきれいになったので、指示された上司に「整理整頓終わりました」と報告します。
報告を受けた上司は(さっきより少し見た目がきれいになったかな?)「ちゃんと出来ましたね、この状態を維持してくださいね」と評価します。
この時の指示した「整理整頓」という言葉のパワーは、本来持つチカラの半分以下ではないのでしょうか?
これはもちろん「整理整頓」という言葉だけではありません。
組織で使う言葉すべてなのです。
言葉の定義ができないとどうなるか?
- 部下への指導力が低下
定義が曖昧なまま指導すると、部下も同じく漠然とした理解で行動するため、効果的な改善がなされません。
- 指導例:単に「整理整頓しなさい」と言われても、具体的な行動が分からず、結局何も変わらない。
- 評価基準が不明確
評価する側も「整理整頓ができているか」を判断できなくなるため、公平な評価ができません。
- 課題:評価の基準が「見た目の綺麗さ」だけになり、本質である「使いやすさ」や「効率化」が評価されない。
こういった大きな弊害が生まれます。
私自身、百貨店からホテル業という異業種に転職した際、
専門用語や業界用語に大変苦労させられました。
ということで、是非組織で使う言葉を定義して、それをメンバー全員と共通言語にする活動を行ってくださいね。
特に私が啓蒙している「ホスピタリティ」「おもてなし」といった言葉を行動指針にしている組織は
言葉を定義してください。
私が定義した「相手が求めていることを、求められる前に提供する」でも結構ですし、
組織で話し合って決めて頂いても結構です。
「理想はわかるけど、うちの会社では…」
そんな声が聞こえてきそうです。
しかし、この取り組みは特別な予算や システムを必要としません。
明日から始められることがあります:
- 自分の部署で最も頻繁に使う言葉を3つ選ぶ
- それぞれの言葉の定義を書き出す
- チームメンバーと共有し、意見をもらう
この小さな一歩から、組織は確実に変わり始めます。
言葉の定義は、単なる約束事ではありません。 それは組織の生産性を高め、人材を育て、イノベーションを促進する、最も基本的かつ重要な「経営基盤」なのです。
あなたの組織は、この基盤をしっかりと築けていますか?
今こそ、行動を起こすときです。
おわりに
「継続は力なり」という言葉があります。
しかし、その「継続」の定義が明確でなければ、私たちは正しい方向に進めません。
組織の未来は、言葉の定義から始まります。


