
なぜ、コンサドーレは結果を出せなかったのか?
2025年、北海道コンサドーレ札幌はJ1昇格どころか、まさかの12位という結果に終わりました。
サポーターの一人として、そしてマネジメントを学び実践してきた者として、この結果には強い違和感を覚えます。
私は昨年、ブログで「コンサドーレから学ぶマネジメント」という記事を書きました。
そこでは、GM(ゼネラルマネージャー)と社長の兼任体制がクラブの弱点であると指摘しました。
GMはチーム強化とファンへの価値提供に責任を持ち、
社長は経営と収益拡大に責任を持ちます。
両立は非常に難しく、私は「マネジメントの弱体化につながる」と書きました。
2025年シーズン開幕時、三上GMが専任に戻り、石水創社長が就任。
私は「ようやく体制が整った」と期待しました。
しかし、シーズン中盤でGMが解任され、その後シーズン終了までGM不在期間が続きました。
これは、まさにマネジメントの中心が失われた状態です。
組織で言えば、「現場責任者がいないまま経営判断だけが進む」ようなもの。
理念がどれほど立派でも、日々の戦略や意思決定が噛み合わなければ成果は生まれません。
マネジメントとは、理念と現実を“なんとかする”こと。
その中核を担うポジションが空白になれば、現場は混乱し、方向性はぼやけていきます。
昨年決められたクラブの理念は明確です。
- パーパス:「赤黒の輪で北海道の夢をつなぐ」
- フィロソフィー:「走る、闘う、規律を守る、その笑顔のために」
- コアバリュー:「Enjoy・Commitment・Open・Family」
これだけ理念が整っているクラブにもかかわらず結果が出ない。
その理由を突き詰めると「目標」「計画」の不在に行き着くと感じています。
■ 組織の成果は「目的・目標・計画」で決まる
組織が最大の成果を出すためには、必ず次の3つを明確にし、全員で共有することが必要です。
- 目的(Purpose):なぜやるのか。なんの為にこの組織は存在するのか。
- 目標(Goal):どこを目指すのか。到達点。
- 計画(Plan):どうやって実現するのか。道筋。
目的が概念の最上位です。
漢字の通り、組織が最終的に目指す「的」です。
パーパスは「目的」を示しています。
フィロソフィーは目的に向かうための方向を示す「羅針盤」と言ったところでしょうか?
目標は「標(しるべ)」です。
仕事が目的に向かって上手く行ってるのか確認するための標です。
目標には指標と水準が必要です。
「何を(指標)」「どれだけ(水準)」達成させるか?ということを決めます。
計画とは、許容出来る資源の消費量(予算=お金)と活動の進捗量(スケジュール)を事前に決定することです。
簡単に言うと目標達成させる為にお金の使い方とスケジュールを5w2hであらわした物が計画といえます。
いくら目的が共有されていても「何を」「どれだけ」「いつまでに」「どうやって」実現するのか――この目標と計画が可視化されていなければ、現場もファンも同じ方向を向けません。
目的は概念ですから抽象的です。
「赤黒の輪とは?」「北海道の夢とは?」
皆、頭の中に浮かぶものはバラバラです。
それを明確にし共有するのが「目標」と「計画」なんです。
目的は“心の軸”ですが、目標と計画は“動かす軸”。
どちらかが欠ければ、組織は動かなくなります。
■ 理念だけでは動かない ― “Why”だけでなく“What”“How”を可視化せよ
組織のマネジメントは、
「Why(なぜ)」だけでは動きません。
「What(何を)」「How(どうやって)」があって初めて成果が出ます。
コンサドーレの場合、
- パーパス=Why(なぜ)
- フィロソフィー=どうあるべきか(価値観)
までは明確ですが、 - 目標(いつまでに、どこまで上がるのか)
- 戦略(どのように勝つのか、育成と補強をどう両立させるのか)
が明確に共有されていません。
結果として、サポーターも選手も「今、何を成功と呼ぶのか」が分からない。
これはまさに、企業組織で言う「理念はあるのに経営計画がない」状態です。
■ 組織力とは、理念 × 目標 × 計画 × 共有
私はこう考えています。
組織力 = 理念 × 目標 × 計画 × 共有
理念だけでは“熱量”は生まれても、方向性は生まれません。
目標と計画があることで、初めて熱量が“成果”に変わります。
そして共有されることで、全員が同じベクトルに向かって動くことができます。
クラブのコアバリューには、**「OPEN」と「Commitment」**という言葉があります。
今こそ、この言葉をマネジメントの現場で体現すべき時です。
マネジメントにおける「OPEN」とは、仲の良さではありません。
「なぜこの計画で勝てるのか」というロジックを共有し、プロセスを透明にすることです。
そして「Commitment」とは、掲げた計画に対し、誰が、いつまでに、どう責任を果たすのかを明確にすることです。
サポーターを「FAMILY」と呼ぶのであれば、その家族に対してこそ、美辞麗句ではない「現実的な航海図(目標と計画)」をOPENに示すべきではないでしょうか。
■ コンサドーレに必要なのは「戦略ストーリー」
今のコンサドーレに必要なのは、理念を動かす「戦略ストーリー」です。
たとえば次のような中期目標を掲げることで、組織全体がひとつにまとまります。
- 2年以内にJ1復帰、平均観客数2万人
- 北海道全域で育成年代登録者数20%増
- 地域スポンサー参画率30%アップ
こうした明確な目標と戦略をサポーターにも開示し、
「なぜ今この補強なのか」「どんなチームを目指しているのか」を共有する。
これこそが、パーパスを現実に変えるマネジメントです。
まとめ:マネジメントの可視化が組織を救う
「地域の誇りでありたい」という高い理想。 「J1で勝たなければならない」という厳しい現実。
この二律背反を、精神論ではなく「ロジック」で繋ぐこと。それがマネジメントの役割です。 2026年、コンサドーレが再び輝くためには、理念(目的)を語るのと同じ熱量で、具体的かつ納得感のある「目標」と「計画」を可視化することが不可欠です。
マネジメントとは、なんとかすること。 今シーズンこそ、北海道の夢を「ロジック」と「情熱」の両輪で、正しく管理(マネジメント)していく姿を見せてほしい。私も一サポーターとして、そしてマネジメントを志す一人として、この「可視化」の行方を厳しくも温かく見守り続けます。

