
前回は「観る」ことからお客様のご要望を想像しました。
次は、さらにお客様と「コミュニケーション」を行って、想像を確かなものにしましょう。コミュニケーションを行うと、観た時だけの「想像」よりも、正解率は飛躍的に上昇します。
接客業なのに実はコミュニケーションが苦手、という方もいらっしゃるかもしれません。実際私も最初の頃は、初対面の人と何を話したらいいのだろうと考えていました。しかし怖がることはありません。
実はコミュニケーションは「きく」ことが最重要だからです。
「見る」と「観る」が違うように、「きく」にも「聞く」と「聴く」があります。
「聞く」は音として勝手に耳に入ってくる状態を言います。受動的な行為といえるでしょう。しかし「聴く」は能動的な行為です。意識的して聴くことです。聴くという漢字をよく観てください。耳と目と心が入っていませんか?耳・目・心、五感全部使うのが「聴く」という行為なのです。
しっかり聴くことができると、ホスピタリティのレベルが向上するだけではなく、何よりもお客様との関係性が短時間で近くなるメリットがあります。
このしっかりと話を聴くスキルを「傾聴スキル」と言います。いくつかのスキルから、ここでは簡単にトライできる3つだけ紹介したいと思います。
① うなずき、あいづちを打ちましょう
聞き手がうなずきやあいづちをあまりしない人だと、会話は続かないものです。
傾聴とは「聴いていますよ」というサインを、相手に出し続ける行為だと思っています。
だから積極的にうなずいてくれる人、あいづちを打ってくれる人だと会話は盛り上がるのです。
うなずきは相手の話の「、」で小さくうなずき「。」で大きめにうなずくと良いでしょう。
次にあいづちですが、普段どんなあいづちを使っていますか?「ハイ」「ええ」「うん」と言ったところでしょうか。自分が普段使っているあいづちのバリエーションは意外に少ないもの。意識して増やしてみましょう。
あいづちの簡単な2つのテクニックがあります。
一つは「オウム返し」、もう一つが有名なあいづちの「さしすせそ」です。
オウム返しは相手のキーワードやフレーズを繰り返すことです。簡単ですが効果は絶大です。
例えば相手が「先週は家族で洞爺湖に行ってきました」自分「ご家族で洞爺湖ですか!いいですね〜」
ただ繰り返しているだけですが、話を聴いてくれていると相手は強く感じます。
相槌の「さしすせそ」とは「さすがですね」「知らなかったです」「素敵ですね」「センスがいいですね」「それは凄いですね」。これを普段の相槌にプラスすると、事実だけでなく感情が入るので、さらに会話が盛り上がります。
② 言葉以外を聴きましょう
「観る」のところでもお伝えしましたが、人間の本音は非言語に表れます。表情・声のトーン・ジェスチャーが、話している内容とギャップがないか観ていきます。
「大丈夫ですか?」と訊ねて、笑顔で元気よく高い声で「大丈夫です!」と答えるのと、暗い表情で低めの声で「大丈夫です…」と答えるのとでは、同じ「大丈夫」でも全く意味が違います。そしてどちらかと言うと、非言語の方がその人の本音なのです。
③ 相手の話を最後まで聴きましょう
話上手な人がついやってしまうのが、話の途中で相手の話を奪ってしまうことです。
TVの討論会を観ていると、話が終わらないうちに他の人が話し出すことがほとんどです。そのため議論は紛糾し、結論はでることがありません。
普段の会話でも「まだ自分が話していたのに…」と話し手に思わせてしまうと、相手はだんだん話をしなくなります。
うなずきとあいづちで最後までしっかり話を聴いて、それから話をしましょう。
あまり難しく考えず、まずは雑談レベルの会話で話を聴くことに注力しましょう。雑談でも十分関係性を作り上げる効果を発揮します。実験でも販売前にお客様との雑談が有ると、無い時に比べて成約率が格段に高いことが立証されています。


