ホスピタリティに必要な「伝える」チカラ

狸小路にある居酒屋瑠久魚平。お手頃価格で新鮮魚介類が味わえる。スタッフの感じ良さもお気に入りです。

前回までの「みるチカラ」「きくチカラ」を駆使してお客様のご要望を「想像」したら次のステップ、お客様に対して何を行うのが最善なのか「手段」を考えます。

その時一つのアイデアだけでは無く、複数考えてみることが大切です。アイデアが一つだと、提案して断られた時そこで終わってしまいます。代替え案まで考えることです。

何をすべきか決めたら、お客様に言われる前に「行動」を起こし、お客様に伝えましょう。

依頼されてから行動するのでは「サービス」になってしまいます。

石川県和倉温泉の名旅館「加賀屋」の女将は、おもてなしを「宿泊客が求めていることを、求められる前に提供すること」と定義していました。まさにその通りだと思います。

「伝える」ことの目的は、正しく「伝わる」ことです。お客様にとってどんなメリットのある行動でも、正しく伝わらなければ意味がありません。正しく伝わらずお客様が勘違いをしてしまい、逆にクレームが発生する可能性だって考えられます。

伝わるためにはまず「誰に」「何を」伝えるのか?目的を明確にしましょう。

相手は男性なのか女性なのか?年齢層は?出身地は?「誰に」伝えるかで選ぶ言葉や話し方は変わるはずです。

伝え方の工夫として「文を短くする」ことが大切です。

話が伝わらない人は、だいたい一文が長い傾向があります。政治家の答弁が分かりづらいの(ワザとかも知れません)も、一文が長いからです。長くなりそうな時は、文を分けて伝えます。なるべく「○○は○○です」といった主語プラス述語のシンプルな形が良いです。一文の長さの理想は5秒以内にしましょう。

もう一点、正しく伝わるためには話の組み立て方、構成を考えることが大切です。

話の構成には結論を先に伝える「アンチクライマックス法」と結論を後に伝える「クライマックス法」の2つがあります。

アンチクライマックス法が適しているシーン

→短時間で伝えたい時、相手が対象の事を知らない時、相手が論理的な人

クライマックス法が適しているシーン

→エピソードや体験などわくわく感や感情を演出したい時、相手が興味津々の時

話の全体像や骨格をアンチクライマックスで話して、途中のエピソードをクライマックス法で話すなど、どちらか一方だけではなく、使い分けて組み合わせることが大切です。

最後に、常に忘れてならないのは、お客様には「歓迎感謝されたい心理」というのが必ずあるということです。逆に言うと「歓迎されなかったら…」と言ったお客様の不安な心理もあるのです。

お客様への歓迎感謝を伝えるコツは、「私」を主語にすることです。

「私も分かりますそのお気持ち」「ご満足いただけて、(私も)嬉しく思います」など私が主語になるメッセージだと相手に伝わりやすくなります。

挨拶でも伝えることが可能です。

もしお名前がわかるなら呼びましょう、例えば普段の挨拶にプラスして「笑顔+アイコンタクト+名前+一言」を付け加えてみるのです。

「○○様、おはようございます。今朝は寒くありませんでしたか」

難しくないですよね?しかし、これだけで歓迎感の伝わる挨拶になります。

セリフの挨拶ではなく、意思のある挨拶に変えてみませんか。