ホスピタリティは張り紙に宿り給う

もうすぐ初場所。一山本関と。目指せ十五山本!

私は依頼があると、その内容が研修であれコンサルであれ、最初に依頼された組織の「現場」を観ることにしています。そして、何を観るかというと、まず施設に貼られている「掲示物」を観ます。

よく、「神は細部に宿り給う」と言います。私は「ホスピタリティは貼り紙」に宿ると思っています。掲示物にこそ、組織の考えや姿勢が表れると考えています

ホスピタリティが無い組織に、よくある掲示物の特徴として以下の3つが挙げられます。

・貼り紙が異常に多い

・古い貼り紙が放置してある

・否定形や命令形の文言で書かれている

一つ目の「貼り紙が異常に多い」は、一番多いケースです。

沢山貼る事が親切だと思っています。若しくは貼り紙をすることで、説明責任を果たしたつもりでいるのです。しかし、情報量が多ければ多いほど、受け手は必要な情報が見えなくなります。大切な情報が埋もれてしまうのです。ですから、決して親切なことではありません。

そういう組織の特徴として、顧客とのコミュニケーションが少なく思えます。貼り紙が多い所程、私達コミュニケーションに自信がありません、ですから貼り紙を読んでください、と言っているように思えます。

そしてそれは顧客視点で仕事していません、というサインでもあります。

掲示物は必要な情報だけに絞り込み、その分コミュニケーション頻度を高めることが大切です。

二つ目は、期限の切れたイベント等の「古い貼り紙を放置」しているケースです。

このケースが多い所は、組織のマネジメントができていない証拠です。

ほとんどの場合、組織理念やビジョンが形骸化され、ルールが遵守されていない等、「悪い組織風土」が蔓延しているケースが多く見受けられます。

イレギュラーが当たり前になっているので、コンプライアンスに関しても不安な組織が多く見受けられます。「問題」が「問題」と思えない組織ほど危険な状態はありません。

 三つ目の「否定形や命令形の文言で書かれている」は、顧客視点が欠落している事を意味します。上から目線なのです。「利用させてやっている」感覚なのです。

例えば「○○をしないでください」「開放厳禁」「立入禁止」と言った貼り紙が多いようであれば要注意です。

まずは「〇〇をお願いいたします」といった依頼形の文言に書き換えるべきです。

但し、だからと言って一つ目で述べたように「お願い」の貼り紙だらけにする様ではいけません。

この三つのケースが観られる組織は、以前述べた「ホスピタリティ」では無く「サービス」の論理で運営されている傾向があります。

最近一番凄かった例です。

民間の某総合レジャー施設なのですが、入口に「利用の際の30のお願い」という大きな看板が貼られているのです。最初冗談かと思ったのですが、中身を読むと本気の様です。

まさに、客に「利用させてやっている」という感覚なのです。

「泳ぐ前には放尿をし、洟をかみ、身体の各部をよく洗い化粧等は落としましょう」の文言で思わず苦笑してしまいました。

客にこれを全部読んで、覚えて、遵守しろというのです。

施設のスタッフは全員、この30項目を全て暗記しているのでしょうか?

他の場所にも沢山の「これをしないでください」「これをお願いします」といった貼り紙だらけです。

案の定、プールでも浴室でも、すれ違うスタッフは誰一人として、「こんにちは」も「いらっしゃいませ」もありませんでした。

当然、居心地も悪く、すぐ帰ってきてしまいました。

恐らく、今後この施設に行くことは無いと思います。

これは極端な例ですが、自分達の組織でこれに近いことを行っていないでしょうか?

皆様も、掲示物を一度点検してみることをオススメ致します。