
挨拶の形骸化に潜む危機
先日、百貨店へ買物に行きました。
少し高い買物だったので、二軒買い回りしたのです。
一軒目の百貨店で何度か店員さんとすれ違いました
しかし、一度も「いらっしゃいませ」の挨拶をされなかったのです。
長く百貨店で勤めた自分には信じられない体験でした。
平日で客数も少ない状態でした。
二軒目では普通に挨拶がありました。
当然、二軒目の店で購入しました。
とても素晴らしい接客で満足度も高かったです。
日本の百貨店といえば、「いらっしゃいませ」の丁寧な挨拶が象徴であり当然のことでした。
恐らく環境の変化で接客スタイルが変化してきているのでしょう。
しかし、百貨店は高級感や丁寧なサービスが特徴的な業態ですので、無人化省人化サービスの業態とは一線を画すべきだと思います。
また最近大手アパレルチェーン店に買物へ行くと感じるのは
「いらっしゃいませ」と各スタッフから声は出ているのですが
いらっしゃいませと言いながら、歩いている私にまっすぐ向かってきて、避けようとしないのです。
結果的に、私の方が道を譲ることになります。
この状況は、どの店舗でも本当に多く体験するのです。
こうした場面を体験するたびに悲しい気分になります。
いらっしゃいませの意味には
歓迎の挨拶という意味と共に
お客様が来たことに気づいていますというサインでもあるのです。
それなのに突進してくるのは、おかしいですよね。
「いらっしゃいませと言ってはいるが、これでは単なるセリフを発していることでしかありません。
いらっしゃいませの言葉は、単なるセリフではなく「お客様を歓迎し、大切に思っています」という気持ちを伝えるものです。
しかし、その言葉が形だけになってしまえば、お客様には響きません。
接客の本質を見失った「いらっしゃいませ」は、むしろお客様に違和感を与えてしまいます。
さらに最近スーパーマーケットへ行くと感じることがあります
ほとんどの場合、品出しの台車(カート)を押しているのです
これは前方の視界を遮り、お客様との接触の可能性が高く大変危険な行動となります
運搬する際の台車は自分が前方になり引っ張るのが基本です。
しかし、最近色々な店へ行っても、引っ張って運んでいるシーンを見たことがありません。
(たまにの買物ではなく、毎週2回はあちこちのスーパーへ行っています)
このような小さなことでも、「お客様を思いやる気持ち」が失われている兆候なのかもしれません。
無人化の時代だからこそ、人の価値が光る
無人化や非接触型サービスが急増する今だからこそ、
実は接客業には大きな差別化のチャンスがあります。
AIやセルフサービスが提供できないのは「人間同士の温かい交流」です。
お客様に寄り添い、そのニーズを感じ取り、的確なサポートを提供する。
それこそが「人」でなければできない価値です。
私が訪れた大手アパレルチェーン店でも、
昔は商品を手に取るとすぐにカゴを差し出してくれる店員さんがいました。
この一歩先を行く配慮が、まとめ買いを誘発することも多かったと思います。
こうした細やかなサービスが減っている現状は、非常にもったいないと感じます。
店舗での接客が「お客様が来店する理由」になるのは、こうした行動の積み重ねです。
「どうしてもこの店で買いたい」「あの店員さんにまた会いたい」と思わせるサービスを提供できれば、ネットショップにはない価値を創出することが可能です。
接客業に求められる「人間力」
接客業に携わる皆さんにお伝えしたいことがあります。
それは、「効率化の時代だからこそ、あなたの存在が必要とされている」ということです。
お客様が求めるのは、商品だけではありません。
「人」との触れ合い、温かい対応、そして特別感が、リアル店舗ならではの強みです。
どんなにAIが進化しても、ホスピタリティは「人」が作り出すものです。
だからこそ、ぜひ今一度、自分の接客スタイルを振り返ってみてください。
「お客様に寄り添えているか」「言葉だけでなく行動で気遣いを示せているか」。
こうした問いを常に持ちながら、接客の質を高めていってほしいと願っています。
まとめ
無人化や非接触サービスが主流になる時代にあっても、接客業には大きな可能性があります。
効率化が進むほど、「人」が作り出すホスピタリティの価値は高まります。
接客業に携わる皆さんがその価値を再認識し、行動に移していくことで、リアル店舗の魅力は新たな段階へと進化するでしょう。
私たちが目指すべきは、「効率」と「人間力」の両立です。
これからも、お客様に喜ばれる接客を提供し続けていきましょう!


