コンサドーレから学ぶ「マネジメント」

J2に降格してしまったコンサドーレ

北海道コンサドーレ札幌が好きです。
昔(15年位前)競技場の近くに住んでいた事があり、最初は何となく、何度か観戦するようになりました。
その後、小野伸二が加入しミシャが監督になり、2019年のルヴァンカップ決勝戦で決定的に心を奪われてしまいました。
今ではホーム全試合スタジアム観戦するほど熱く応援してきたのです。
しかし、昨シーズンは開幕前に主力選手が移籍し補強もほとんど無く、その上怪我人が続出している中シーズン突入。
当然、開幕から不振を極め、夏に慌てて多数補強したものの、ついにJ2降格という結果に。

大きな原因の一つに考えられる、ここ数年懸念していた課題があります。
元々GM専任をしていた三上氏が、GMと代表取締役を兼任していたことです。
兼任することで業務が多忙を極める点も、もちろん問題なのですが、
この構造は、組織としてマネジメントの弱体化に繋がってしまいました。
GMとしては非常に優秀な三上氏。
しかし、代表取締役として組織を持続させ利益を拡大する責務と、
GMとして現場の強化を通じてファンサポーターに価値を提供する責務。
この二つは、一人で兼任することが難しいことなのです。

この状況は、スポーツクラブだけでなく、サービス業等一般企業にも通じる普遍的なマネジメントの課題を浮き彫りにします。
特に、顧客満足(CS)と収益性という、二つの相反する目標をどう調整するか。この問題は、サービス業に携わる皆さんにとっても、決して他人事ではないでしょう。

マネジメントの本質とは?

そもそもマネジメントとはなんでしょうか?
日本語ではよく「経営管理」という言葉で訳されています。
経営管理とは一体何をすることでしょうか?

マネジメントという言葉は
英語の動詞”manage”(なんとかする)から来ています。

組織には常に、継続・発展という「組織目的」と、
顧客に価値を提供する「事業目的」という2つの目的が同時に存在します。

マネジメント=経営管理における経営とは、組織目的を達成するための仕組みや技術のことを言います。
具体的に言うと売上利益を獲得することです。
経営管理における管理とは、事業目的を達成するための仕組みや技術です。
具体的に言うと、資源(匕ト・モノ・カネ)を適切に配分調整し、
顧客に提供する価値を最大化することです。

しかし、この2つの目的(獲得と提供)は相反するのです。

例えば、私が居たサービス業界を例に考えてみましょう。
組織目的から考えると…

  • 少ないコストで売上を拡大し、利益率を高める。
  • 高効率のオペレーションで最小限の人員で多くのお客様に対応する。

事業目的で考えると…

  • お客様に最高のホスピタリティを提供する。
  • 地元の特産品を使った料理で満足度を向上させる。

これらは、しばしば対立します。
人件費を削減すればホスピタリティが低下し、
逆に高品質なサービスを追求すればコストが増大します。
この二律背反の問題を「なんとかする」事が、マネジメントなのです。

例えば地域特産品を使った料理を提供する一方で、
コスト削減を求める場合、次のような工夫が必要です。

  • 部分的な特産品活用: メインディッシュに特産品を使い、サイドメニューはコストを抑えた素材を選ぶ。
  • ストーリーテリング: 特産品の背景や生産者の想いを伝えることで、付加価値を高め、価格への納得感を与える。

私が居たホテルでは、経営者側から食事の原価管理が徹底されており、原価率が一般的なホテルより、かなり低めに設定で計画されていました。
そのため私は、バイヤーに地元産で格安な食材を探し回るよう依頼。
料理長にその食材で工夫を施して魅力的な季節のメニューを考案してもらいます。
それをスタッフ皆で試食会を行い、顧客に満足をさせられるか判断します。
試食会では「その刺身はマグロに出来ないか?」
「いやそれやると原価10円あがるからムリ」といったやり取りを延々と続け、
お客様に如何に満足頂けるか考えます。
そして、宿泊後のお客様アンケートや楽天じゃらん等の口コミ点数で評価を行い、更に改善を図ります。

この流れ、そうPDCAですね。

そうする事で二律背反の目的を「なんとかする」のです。

組織の「あるべき姿」がジャッジの基本

マネジメントにおいて、意思決定は常に難しい課題です。
特に、二律背反の問題に直面した際、何を基準に判断すべきか悩むことも多いでしょう。
その際に最も重要なのが、組織の「あるべき姿」です。

経営理念やビジョン(目指す理想の姿)などの「あるべき姿」の設定とメンバーとの共有が大切なのは、まさにそのためです。
なぜなら、問題とは「あるべき姿」と「現実」のギャップだからです。

先日もある宿泊施設の社長から「人手不足で夕食提供を止めてB&B(宿泊と朝食のみ)に業態転換したほうがいいですか?」と相談を受けました。
私は「損益計算上ではそうかも知れません」「しかし、あなたは何のためにこの施設を運営しているのですか?目的や経営理念、ビジョンに影響があるかどうかで判断するべきです」と答えました。

経営理念やビジョンがあるからこそ、二律背反の問題に直面した際に正しい判断が可能になります。
そのギャップを埋めることこそがマネジメントの本質です。

組織の未来を見据えた判断を下すために、常に「あるべき姿」を意識したマネジメントを心がけましょう。

まとめ:二律背反を「なんとかする」

サービス業を取り巻く環境は、競争が激化し、顧客の期待がますます高まっています。

そしてあらゆるコストが急激に上昇するなど外部環境は悪化、この状況下で相反する目標を「なんとかする」力が求められます。

あなたの職場でも、コスト削減と顧客満足という二律背反の課題に直面しているかもしれません。
しかし、それを言い訳にして現状維持を選ぶのではなく、創意工夫を重ねて問題を解決することが必要です。

あなたの職場でも、少しの変化が大きな成果につながる可能性があります。
「マネジメントとはなんとかすること」
この言葉を胸に、ぜひあなたの職場でも変革の第一歩を踏み出してみてください。

コンサドーレも、2025年シーズンは三上GMが専任に戻り、社長に石屋製菓の石水創社長が就任しました。
すると早速、三上GMはベルギーから高嶺朋樹を呼び戻すなど、強化の面で動きを見せています。
コンサドーレの1年でのJ1昇格をサポーターとして、今年も全力応援していきます!